東京都に特化したローカルメディアを運営する企業様から、Core Web Vitals(コアウェブバイタル)が良好ではないために検索順位低下が懸念されるというご相談をいただきウェブデザイン変更を伴わない範囲でWordPressプラグインによるCWV改善と高速化を実施しました。
WordPressテーマ | 賢威 |
利用サーバー | エックスサーバー |
作業期間 | 1ヶ月~ |
実施・相談対応一覧
- KUSANAGIからエックスサーバーへの移行に伴う調整
- 不要テーマ、プラグインの整理に関するアドバイス
- 保守管理システムの一時連携によるサイト上の脆弱性診断
- ASP広告等外部サーバーからの読み込みに対するパフォーマンス改善
- 有料測定ツールを用いた作業対象URLの検査
- 高速化に関わるプラグインの設定調整
- Core Web Vitals問題点の修正・改善
KUSANAGIからエックスサーバーへ変更
下記の観点からエックスサーバーへお客様により変更していただきました。なお変更に伴うKUSANAGI特有のファイル及びデータベーステーブルは今回のご依頼で削除を実施。
- WEXALを併用した場合を除きKUSANAGI単体ではそこまで高速化を見込めない。独自のセキュリティや提供機能がプラグインを活用した高速化とバッティングする可能性がある。
- エックスサーバーはKUSANAGIそのものではないが、サーバー負荷をはじめKUSANAGIのノウハウが技術提供されているためKUSANAGIである必要性は従来よりも低くなった。
- 利用していたVPSではスケールアップ・ダウン時にサーバー停止が必要となる一方で、エックスサーバーではプラン変更を無停止で行える。
不要ファイルの整理、脆弱性対策
停止していて使用しないテーマ、プラグインは脆弱性が含まれる場合もありサイトの安全のために削除するのが推奨されています。実際に今回のご依頼では未更新かつ脆弱性が発表されているバージョンが5件放置されていました。
ASP等外部読み込みを含め約700件の読み込みを削減
広告収入を主としたメディアサイトでは、AdSenseをはじめ国内の様々な広告配信サービスを利用する傾向にあります。残念ながらこういった広告配信サービスでは表示速度への影響を重視しておらず、多くのサイトを遅くしてしまっています。
どんなにサーバーにお金をかけても、WordPressを極限まで高速化したとしても、サイト運営者の所有範囲を超える外部サービスからの読込が最適化されていない限りウェブサイトの表示速度は悪化します。
改善前 | 改善後 | |
---|---|---|
ページ表示直後の読込件数 | 762 | 51 |
高速化にかかわるプラグインの調整
数多くの国内サイトで導入されているWP Rocketは毎年数回のアップデートで従来よりもサイト次第では強く作用してしまい、適切な除外を行いエラーを確認しながら設定しないといけなくなりました。今回はWP Rocketでは提供されない高速化に大事な機能を持つ別プラグインも併用した構成となっています。
高速化・Core Web Vitals改善の前後比較
Core Web Vitalsの前後比較
毎月更新されるオリジンサマリを参考に作業前後を比較した数値です。改善前はLCPに問題が有りましたが改善後は良好となりました。改善直後の数値のため、今後数ヶ月で改善後数値は更に良い値になる可能性があります。
改善前 | 改善後 | |
---|---|---|
LCP(秒) | 2.6 | 1.9 |
FID(ミリ秒) | 75 | 70 |
CLS | 0.1 | 0.07 |
ページ表示速度は30秒台から1.5秒まで改善
WebPageTestのLTE回線(12Mbps)をシミュレーションした記事ページに対するテストでは32.4秒から1.5秒まで改善しました。非公開希望のため下記の表示速度比較動画はぼかし加工されています。
国内主要メディアのパフォーマンスに匹敵する数値に改善
SpeedCurveが実施している国内主要メディアの比較と同等の条件(25Mbps/10Mbps 10ms RTT)で測定した結果、Start Renderは0.4秒とSankeiやYahooニュースを上回り時事通信と同等範囲となりました。
他社ソリューションとの費用比較
今回の対策を月間270万PVの前提で他社ソリューションで実施すると年間120万円から年間360万円かかりますが、当サービスなら他社以上の高速化をプラグインを用いたノーコード手法を採用する事で、1回の費用を10万円~に抑える事ができました。
当サービス | A社 | B社 | |
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費用 | 1回10万円~ | 年間120万円~200万円 | 年間360万円~ |
当サービスはGoogleが提供するサイトのユーザー動向データであるCrUXを参考にサイトにアクセスするユーザー割合を踏まえ、サイト毎にCDNの必要性を判断しています。他社では高速化手段として最初からCDNを提供していますが、サイト自体の問題を改善する事で他社より低価格なソリューションを提供しています。
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